毎度お久しぶりです。
もう既に夏も過ぎてすっかり秋ですが終わりましたが、
夏の風物詩として肝試しや怪談がありまして
そんな中、私自身待ちに待った作品が発売されました。
タイトル画面。
「真」シリーズを通しての主人公、北條紗希の立ち絵。
PS4、Switchにて販売されていますが
写真の通りSwitch版を購入しました。
やはりテレビモード・携帯機モードとプレイスタイルを気分によって
変えられるのは良いですね。
ちなみに前作の「真 流行り神2」についても感想書いてましたので参考までに。
プレイ感想 真 流行り神2
ではでは紹介をば。
都市伝説――
それは何十万、何百万もの人々を巻き込みながら、
延々と続く伝言ゲームのようなもの。
友達の友達。
知り合いの知り合い。
得体の知れない人間から伝え聞いたという不気味な体験談。
それは多くの場合、単なる作り話に過ぎないが……。
“真 流行り神”シリーズは、そうした“都市伝説”のような怪事件が
ではではメインキャラについて。
北條紗希
真 流行り神1及び2から続投の本作の主人公。階級は巡査長。
「1」のS県警でのブラインドマン事件後、「2」においてG県警に異動、
とくそう(特殊捜査の略・・ではなく特殊お客様窓口の略)に配属され、
数々の怪異事件を担当・捜査することに。
本作の特徴的なシステムにもなっている、
嘘を織り交ぜた質問を投げかけることで挑発、あるいは動揺させ、
相手をコントロールし本音を暴く、「ライアーズアート」の使い手。
凛としたイラストに反して、相棒の愛染刹那から異性として特に意識されない事をぼやいたり、
プライベートでは部屋で1人晩酌していたりする描写もあり、
結構庶民的な姿があってそのギャップがなかなか宜しいです。
愛染刹那 (あいぜんせな)
前作、真 流行り神2から登場した愛染刹那。階級は巡査。
旧シリーズにおける小暮宗一郎と同じく主人公の相棒ポジションを務める。
前作においては当初は紗希と同様に捜査一課の1人として
怪異事件の捜査にあたっていたが、見た目や態度から捜査一課長から疎まれて
1話の最後に紗希とともに「とくそう」に配属される。
ヤンキーのような見た目とややキラキラネーム寄りの名前に反して
とある名家の跡取りで妙に育ちが良いところがあったり、
その一方でオカルトには肯定的で知識量も多い。
(旧シリーズで同じく相棒役であった小暮さんとは対極に位置する)
新美心太朗
同じく前作、真 流行り神2から登場した新美心太朗。階級は警部補。
真 流行り神2においては捜査一課において後述の纐纈将臣とコンビを組み、
エースコンビとして怪異事件の捜査にあたっていた。
が、最終話エピローグにおいて何故だか「とくそう」に配置転換されてしまう。
オカルトや怪異に関しては否定的で旧シリーズにおける式部人見、というよりは
賀茂泉かごめのようなポジションで、オカルト肯定派の愛染刹那とは至る所で小競り合いをしている。
彼のプライベート描写ではあまりに纐纈将臣とベタベタな付き合いのシーンが多いので、
変な勘ぐりをしてしまいます。
纐纈将臣 (こうけつまさおみ)
同じく前作、真 流行り神2から登場の纐纈将臣。階級は警部。
先述の通り、前作において捜査一課において新美心太朗とコンビを組み、
エースコンビとして真・流行り神2での怪異事件の捜査にもあたっていた人物。
が、新美心太朗と同じく同作のエピローグにて「とくそう」にやってくる。
見た目通りハードボイルドな雰囲気のままの人物であり、
今まで紹介してきた3人とは異なりコミカルなシーンは見られず。
しかしながら本作においては彼の過去、そして仲間との熱いやりとりのシーンもあり、
前作よりもかなり彼にスポットライトが当たるようになってます。
如月蜜子
G県警科学捜査研究所の所長で、かつ実家が由緒ある神社という科学・オカルト双方に精通している女傑。
メタ的に言えば旧シリーズ(流行り神シリーズ)の犬童蘭子・式部人見・霧崎水明の役割を一人でこなす、
スーパーウーマン。
作中で最強かつ最恐の存在で、ジョーカーキャラというか、ある意味ラスボスのような人物。
前作に引き続き、本作においてもなんでも出来てしまう怪物っぷりは健在。
金髪の王子
前作の2からG県警に出入りしており、怪異事件に介入したり、時には暗躍していたりする、
名称不明の謎の外国人男性。
前作において外交官の車両を操り、本作においては治外法権の対象とされているためか、
明らかに怪しい人物であるにも関わらず、誰にもその存在について触れられない。
なお「金髪の王子」とはネタではなく、本当に作中及び公式サイトでこの通り呼称されています。
本作はボタンを押すことで文書を読み進めて、時に現れる選択肢を選ぶことで物語が分岐する、
テキスト式のアドベンチャー。
ただ本作がよく有るテキストアドベンチャーとは一線を画す要素として下記3点があります。
①カリッジポイント
一般的なテキストアドベンチャーだと
選択肢は自由に選べるのですが
本作において取り扱うのは都市伝説の怪異。
故に選択肢において「勇気」が必要になる場面もあり、
それをシステムに落とし込んだのがこのカリッジポイントです。
各エピソードにおいて勇気が必要な選択肢を選べる回数には限りがあり、
どの場面で勇気を振り絞るべきなのか?と取捨選択しながら進めるという、
本作の特徴の1つです。
選択肢の中身としては
「事件の犯人あるいは怪異に対する勇気」を振り絞るものだったり、
「普通は空気を読んでやらない事をあえてやる勇気」だったり様々。
今後の物語の進行を考えて、カリッジポイントを温存するか?使うか?
後述の各話の最終版でのライアーズアートで何度も使用するので、その点も考慮する必要あり。
②セルフ・クエスチョン
物語の重要な局面において発生する、事件の情報整理や捜査方針を
文字通り「自問自答」にて進めていくシステムです。
とある場面においてはセルフ・クエスチョンの結果次第で事件の捜査方針を
超常現象による影響も視野に入れる「オカルトルート」
飽くまで科学的見地から調査を進める「科学ルート」に分岐します。
またセルフクエスチョンを進める中で事実と異なっていたり支離滅裂となるような選択肢を選ぶと
最終評価を下げる要因となるのでルート分岐しない場面においても気が抜けないものとなっています。
③ライアーズアート
流行り神シリーズが「真」になってから追加されたシステムの1つで
事件の犯人や怪異そのものと対峙した、クライマックスシーンで発生します。
ライアーズアート中では相手への言葉の投げかけ(言葉の選択)を複数回行い、
相手を揺さぶり表示されるゲージを一定値以上まで上げることを目的とします。
また各選択肢には制限時間があり、一定時間内に選択肢を選ぶ必要があります。
一方、何も選ばずに沈黙する、という選択も可能です。
なおこのライアーズアートでは先述のカリッジポイントが必要となる選択肢が何度も出現しますので
先述の通り、ライアーズアート以前でカリッジポイントを消費し過ぎてしまうと、
後になって選択肢が選べなくなってしまいます。
ではシステムの説明はこんなところで感想をば。
「恐怖感」×「真相究明」という組み合わせが、病みつきになる組み合わせなのか、
本作購入後、仕事で忙しいながらも1週間も掛からずにクリアしてしまいました。
推理アドベンチャー好きとしては「ストーリーの核心を探り当てる」というのが
ゲームを遊ぶ上での醍醐味ではありますが、そこに「恐怖感」が足されると
加速度的に好奇心が増していくと言いますか・・。
どのストーリーも都市伝説を題材にした恐怖を感じられるシナリオ・イラストに
夜寝る前に遊んでいると余韻で暗闇を恐ろしく感じたり、
また各話のエピローグでは何かしら薄気味悪さを残すような終わり方なのもお約束ながら◯。
時折挿入される恐怖演出。
この恐怖が怪異の謎に対するちょうど良いアクセントになって本作を病みつきにさせてしまうんです。
最後の推理ロジックにて、事件の真相を正しく掴めているか?の確認が入ります。
この「優」の表示が出るとちょっとした達成感。
電話口で上司である本部長から「私だ」と告げられての紗希の独白。
本項とは関係ないけど、こういういかにもな「余計な一言」が入るところが
作中のキャラの個性を演出していて、クスリと笑えるのもまた本作の魅力の1つ。
これは「旧シリーズ・2」から前作の「真・2」までで続いてきた不満だったのですが
ルート分岐により、「全然別の事件になってしまう」という展開がされてしまう話がありました。
ルート分岐で話の展開が変わっていくのはわかるのですが、本作の特徴は
「オカルト・科学、どちらの見地から事件の調査を進めるか?」というものでした。
先にあげた通り、「全然別の事件になる」というのは事件の黒幕がルートにより
完全に別人になってしまう、というストーリーがいくつかありました。
(黒幕が複数人存在する、とかではなく完全に矛盾した話になっておりました)
こういった展開があるとどうしても違和感として作品に対する印象が悪くなっていたのですが
本作においてようやく「ルート分岐により、一つの事件を別の見地から調査する」という
「旧シリーズ」に則ったストーリー展開がされるようになり、
違和感のない満足のできる流行り神が帰ってきました。
オカルトルート・科学ルートにストーリーが分岐するのが流行り神シリーズの特徴。
ただ残念なことに旧シリーズの「1」を除いて、ストーリー分岐で
「一つの事件をそれぞれ異なる見地から調査する」ではなく
「ルートにより全く違う事件になってしまう」という、
ゲーム当初の特徴がなおざりにされてきた過去がありました。
が、それが「真・3」になってようやく原点回帰して面白さが戻ってきたなという感じです。
先に説明した通り、ライアーズアートは各エピソードの終盤、
クライマックスのシーンだけになりました。
「真」シリーズになって以降、追加された本要素ですが、
「1」「2」のいずれにおいても各エピソード中に何度も挿入されてましたが、
場面によってはゲージ量が多くても少なくてもストーリー展開が変わらないことも多く、
そしてライアーズアートの結果に関わらずカリッジポイントが幾らか回復するので
正直、遊び甲斐・盛り上がり・駆け引きおいてもうまく機能していなかったかと思います。
その点、本作はこのライアーズアートがクライマックスだけに限られたことで
「事件の犯人、あるいは怪異そのものと対峙している!」
という臨場感を演出するのにここまで強く感じられるようになるなんて!
と過去作をプレイしていて思います。
このライアーズアートが挿入されると
「このエピソードもクライマックスに差し掛かったんだなぁ」
と感じられます。
BGMも「1」「2」と同様のものが使用されているのですが、
「3」を遊んだことでより深みと興奮を感じられるようになりました。
では評価点はここまでにして次は気になる点を書いて行こうかなと。
旧シリーズでは、メインストーリー:4or5話、サブストーリー:3or4話、という構成であったのに、
本作および前作の「真2」においては、メインストーリー:5話、サブストーリー:1話、
なので相対的にボリュームが少なく感じるんですね。
(例えば、旧シリーズの「1」だとメイン4話に加え、メインストーリークリア後に
霧崎水明編、式部人見編、間宮ゆうか編、犬童蘭子編、と4話も追加されるので
実質8話もあるという大ボリューム)
「真」になってから隙間録というモードが追加され、ストーリー中には語られなかったエピソードも垣間見えるので、
総合的なボリューム同じなのかもしれませんが、旧シリーズからプレイしている身としてはやはり不満に感じます。
古参のファンとしてはもし次作があればもうちょっと増やして欲しいかなぁ。
(サブキャラの刹那君だけでなく、纐纈さんとか心太朗君のストーリーも欲しいところ)
本作の舞台は日本一ソフトウェア本社が置かれている岐阜県をモデルとした架空の地方、
G県とされています。
作中の地名の表記はどこも飽くまでイニシャル表記のみ。
(これは初代の真 流行り神から続いてる仕様)
冒頭での関ヶ原にまつわるシーンなのだけど、地名は飽くまでイニシャル表記。
一方で作中の一部エピソードで物語の舞台となるとある史跡は
まんま現実の名称が使われていたり、作中で岐阜県や愛知県のグルメが紹介されていたり・・
ゲームの舞台はあくまで架空の地方都市であるのに、岐阜県や愛知県の観光名所やグルメをPRするなら
本作の舞台を「岐阜県」と明記しまっても良いのでは?と思います。
そもそもが無印版の流行り神シリーズは副題に「警視庁怪異事件ファイル」とか銘打っているので
舞台は東京都内でしたが、特段に何か弊害があったわけでもなく。
(まぁ観光名所だとかグルメの紹介は無かったのですが)
ここまで地名をイニシャル表記に拘るのは何か理由でもあるのでしょうか・・?
(怪異を扱うゲームだけに、実名では何かしら悪い影響が出ることを懸念しての対応でしょうか・・?)
岐阜県内観光名所、おそらくは「モネの池」をモデルにした作中のシーン。
うーん、岐阜県をPRしたいのなら実名表記すれば良いのに・・とつい思ってしまいます。
怪異が絡んだ殺人事件を題材にしてるから無理なのかなぁ・・。
だったらなぜ作中の舞台に選んだのか?という疑問も湧きますが。
そこまで大きな影響はないんですが、このゲーム、時折フリーズするんですよね・・。
しかも今作からは一部アニメーションのついたシーンがあるとはいえ、
基本は静止画だからフリーズが起きているか否かが分かりにくいという・・。
幸いにして、しばらく待つなりホーム画面に戻ってからゲームを再開するなりしていれば
フリーズ解消してゲーム再開できるので大きな問題では無いのですが、
ゲーム自体が魅力的であるが故にかなり気になるポイントです。
うーん、デバックする人員や時間が足りなかったのでしょうか?
作中のフリーズしていたシーン。
登場人物の皆さんは基本静止画なので、フリーズしていることに気づきにくいのです。
また一般的には「秘密裏」とするべき所が「秘密裡」と表記されていてちょっと気になる・・。
一応はこの「秘密裡」も正しい表記とのこと。
と、まあ色々と書きましたが「真」になって3作目で原点回帰したなぁという感じで
気になる点こそあるものの、総じて満足な作品に仕上がってます。
旧シリーズは3作目で完結となってしまいましたが、
本作のエピローグを見るに一応の大団円を迎えたものの、
まだまだストーリーは続けられそうな?感じでした。
個人的には日本一ソフトウェアの中ではディスアガイアシリーズに並ぶ力作と思っているので
是非とも次回作に期待したいところです。
それでは今回はこんなところで。
もう既に夏も過ぎてすっかり秋ですが終わりましたが、
夏の風物詩として肝試しや怪談がありまして
そんな中、私自身待ちに待った作品が発売されました。
真・流行り神3
(公式サイト:https://hayarigami.com/shin_hayarigami3/)タイトル画面。
「真」シリーズを通しての主人公、北條紗希の立ち絵。
PS4、Switchにて販売されていますが
写真の通りSwitch版を購入しました。
やはりテレビモード・携帯機モードとプレイスタイルを気分によって
変えられるのは良いですね。
ちなみに前作の「真 流行り神2」についても感想書いてましたので参考までに。
プレイ感想 真 流行り神2
ではでは紹介をば。
あらすじ&キャラ紹介
都市伝説――
それは何十万、何百万もの人々を巻き込みながら、
延々と続く伝言ゲームのようなもの。
友達の友達。
知り合いの知り合い。
得体の知れない人間から伝え聞いたという不気味な体験談。
それは多くの場合、単なる作り話に過ぎないが……。
“真 流行り神”シリーズは、そうした“都市伝説”のような怪事件が
現実に起こってしまったことから始まる。
(以上、公式サイトより引用)ではではメインキャラについて。
北條紗希
真 流行り神1及び2から続投の本作の主人公。階級は巡査長。
「1」のS県警でのブラインドマン事件後、「2」においてG県警に異動、
とくそう(特殊捜査の略・・ではなく特殊お客様窓口の略)に配属され、
数々の怪異事件を担当・捜査することに。
本作の特徴的なシステムにもなっている、
嘘を織り交ぜた質問を投げかけることで挑発、あるいは動揺させ、
相手をコントロールし本音を暴く、「ライアーズアート」の使い手。
凛としたイラストに反して、相棒の愛染刹那から異性として特に意識されない事をぼやいたり、
プライベートでは部屋で1人晩酌していたりする描写もあり、
結構庶民的な姿があってそのギャップがなかなか宜しいです。
愛染刹那 (あいぜんせな)
前作、真 流行り神2から登場した愛染刹那。階級は巡査。
旧シリーズにおける小暮宗一郎と同じく主人公の相棒ポジションを務める。
前作においては当初は紗希と同様に捜査一課の1人として
怪異事件の捜査にあたっていたが、見た目や態度から捜査一課長から疎まれて
1話の最後に紗希とともに「とくそう」に配属される。
ヤンキーのような見た目とややキラキラネーム寄りの名前に反して
とある名家の跡取りで妙に育ちが良いところがあったり、
その一方でオカルトには肯定的で知識量も多い。
(旧シリーズで同じく相棒役であった小暮さんとは対極に位置する)
新美心太朗
同じく前作、真 流行り神2から登場した新美心太朗。階級は警部補。
真 流行り神2においては捜査一課において後述の纐纈将臣とコンビを組み、
エースコンビとして怪異事件の捜査にあたっていた。
が、最終話エピローグにおいて何故だか「とくそう」に配置転換されてしまう。
オカルトや怪異に関しては否定的で旧シリーズにおける式部人見、というよりは
賀茂泉かごめのようなポジションで、オカルト肯定派の愛染刹那とは至る所で小競り合いをしている。
彼のプライベート描写ではあまりに纐纈将臣とベタベタな付き合いのシーンが多いので、
変な勘ぐりをしてしまいます。
纐纈将臣 (こうけつまさおみ)
同じく前作、真 流行り神2から登場の纐纈将臣。階級は警部。
先述の通り、前作において捜査一課において新美心太朗とコンビを組み、
エースコンビとして真・流行り神2での怪異事件の捜査にもあたっていた人物。
が、新美心太朗と同じく同作のエピローグにて「とくそう」にやってくる。
見た目通りハードボイルドな雰囲気のままの人物であり、
今まで紹介してきた3人とは異なりコミカルなシーンは見られず。
しかしながら本作においては彼の過去、そして仲間との熱いやりとりのシーンもあり、
前作よりもかなり彼にスポットライトが当たるようになってます。
如月蜜子
G県警科学捜査研究所の所長で、かつ実家が由緒ある神社という科学・オカルト双方に精通している女傑。
メタ的に言えば旧シリーズ(流行り神シリーズ)の犬童蘭子・式部人見・霧崎水明の役割を一人でこなす、
スーパーウーマン。
作中で最強かつ最恐の存在で、ジョーカーキャラというか、ある意味ラスボスのような人物。
前作に引き続き、本作においてもなんでも出来てしまう怪物っぷりは健在。
金髪の王子
前作の2からG県警に出入りしており、怪異事件に介入したり、時には暗躍していたりする、
名称不明の謎の外国人男性。
前作において外交官の車両を操り、本作においては治外法権の対象とされているためか、
明らかに怪しい人物であるにも関わらず、誰にもその存在について触れられない。
なお「金髪の王子」とはネタではなく、本当に作中及び公式サイトでこの通り呼称されています。
基本システム
本作はボタンを押すことで文書を読み進めて、時に現れる選択肢を選ぶことで物語が分岐する、
テキスト式のアドベンチャー。
ただ本作がよく有るテキストアドベンチャーとは一線を画す要素として下記3点があります。
①カリッジポイント
一般的なテキストアドベンチャーだと
選択肢は自由に選べるのですが
本作において取り扱うのは都市伝説の怪異。
故に選択肢において「勇気」が必要になる場面もあり、
それをシステムに落とし込んだのがこのカリッジポイントです。
各エピソードにおいて勇気が必要な選択肢を選べる回数には限りがあり、
どの場面で勇気を振り絞るべきなのか?と取捨選択しながら進めるという、
本作の特徴の1つです。
選択肢の中身としては
「事件の犯人あるいは怪異に対する勇気」を振り絞るものだったり、
「普通は空気を読んでやらない事をあえてやる勇気」だったり様々。
今後の物語の進行を考えて、カリッジポイントを温存するか?使うか?
後述の各話の最終版でのライアーズアートで何度も使用するので、その点も考慮する必要あり。
②セルフ・クエスチョン
物語の重要な局面において発生する、事件の情報整理や捜査方針を
文字通り「自問自答」にて進めていくシステムです。
とある場面においてはセルフ・クエスチョンの結果次第で事件の捜査方針を
超常現象による影響も視野に入れる「オカルトルート」
飽くまで科学的見地から調査を進める「科学ルート」に分岐します。
またセルフクエスチョンを進める中で事実と異なっていたり支離滅裂となるような選択肢を選ぶと
最終評価を下げる要因となるのでルート分岐しない場面においても気が抜けないものとなっています。
③ライアーズアート
流行り神シリーズが「真」になってから追加されたシステムの1つで
事件の犯人や怪異そのものと対峙した、クライマックスシーンで発生します。
ライアーズアート中では相手への言葉の投げかけ(言葉の選択)を複数回行い、
相手を揺さぶり表示されるゲージを一定値以上まで上げることを目的とします。
また各選択肢には制限時間があり、一定時間内に選択肢を選ぶ必要があります。
一方、何も選ばずに沈黙する、という選択も可能です。
なおこのライアーズアートでは先述のカリッジポイントが必要となる選択肢が何度も出現しますので
先述の通り、ライアーズアート以前でカリッジポイントを消費し過ぎてしまうと、
後になって選択肢が選べなくなってしまいます。
ではシステムの説明はこんなところで感想をば。
評価点①好奇心を掻き立てる恐怖感と事件の真相に迫る快感
「恐怖感」×「真相究明」という組み合わせが、病みつきになる組み合わせなのか、
本作購入後、仕事で忙しいながらも1週間も掛からずにクリアしてしまいました。
推理アドベンチャー好きとしては「ストーリーの核心を探り当てる」というのが
ゲームを遊ぶ上での醍醐味ではありますが、そこに「恐怖感」が足されると
加速度的に好奇心が増していくと言いますか・・。
どのストーリーも都市伝説を題材にした恐怖を感じられるシナリオ・イラストに
夜寝る前に遊んでいると余韻で暗闇を恐ろしく感じたり、
また各話のエピローグでは何かしら薄気味悪さを残すような終わり方なのもお約束ながら◯。
時折挿入される恐怖演出。
この恐怖が怪異の謎に対するちょうど良いアクセントになって本作を病みつきにさせてしまうんです。
最後の推理ロジックにて、事件の真相を正しく掴めているか?の確認が入ります。
この「優」の表示が出るとちょっとした達成感。
電話口で上司である本部長から「私だ」と告げられての紗希の独白。
本項とは関係ないけど、こういういかにもな「余計な一言」が入るところが
作中のキャラの個性を演出していて、クスリと笑えるのもまた本作の魅力の1つ。
評価点②目立った矛盾の無いオカルト・科学のルート分岐
これは「旧シリーズ・2」から前作の「真・2」までで続いてきた不満だったのですが
ルート分岐により、「全然別の事件になってしまう」という展開がされてしまう話がありました。
ルート分岐で話の展開が変わっていくのはわかるのですが、本作の特徴は
「オカルト・科学、どちらの見地から事件の調査を進めるか?」というものでした。
先にあげた通り、「全然別の事件になる」というのは事件の黒幕がルートにより
完全に別人になってしまう、というストーリーがいくつかありました。
(黒幕が複数人存在する、とかではなく完全に矛盾した話になっておりました)
こういった展開があるとどうしても違和感として作品に対する印象が悪くなっていたのですが
本作においてようやく「ルート分岐により、一つの事件を別の見地から調査する」という
「旧シリーズ」に則ったストーリー展開がされるようになり、
違和感のない満足のできる流行り神が帰ってきました。
オカルトルート・科学ルートにストーリーが分岐するのが流行り神シリーズの特徴。
ただ残念なことに旧シリーズの「1」を除いて、ストーリー分岐で
「一つの事件をそれぞれ異なる見地から調査する」ではなく
「ルートにより全く違う事件になってしまう」という、
ゲーム当初の特徴がなおざりにされてきた過去がありました。
が、それが「真・3」になってようやく原点回帰して面白さが戻ってきたなという感じです。
評価点③終盤だけになってメリハリのついたライアーズアート
先に説明した通り、ライアーズアートは各エピソードの終盤、
クライマックスのシーンだけになりました。
「真」シリーズになって以降、追加された本要素ですが、
「1」「2」のいずれにおいても各エピソード中に何度も挿入されてましたが、
場面によってはゲージ量が多くても少なくてもストーリー展開が変わらないことも多く、
そしてライアーズアートの結果に関わらずカリッジポイントが幾らか回復するので
正直、遊び甲斐・盛り上がり・駆け引きおいてもうまく機能していなかったかと思います。
その点、本作はこのライアーズアートがクライマックスだけに限られたことで
「事件の犯人、あるいは怪異そのものと対峙している!」
という臨場感を演出するのにここまで強く感じられるようになるなんて!
と過去作をプレイしていて思います。
このライアーズアートが挿入されると
「このエピソードもクライマックスに差し掛かったんだなぁ」
と感じられます。
BGMも「1」「2」と同様のものが使用されているのですが、
「3」を遊んだことでより深みと興奮を感じられるようになりました。
では評価点はここまでにして次は気になる点を書いて行こうかなと。
気になる点①ストーリーの少なさ
旧シリーズでは、メインストーリー:4or5話、サブストーリー:3or4話、という構成であったのに、
本作および前作の「真2」においては、メインストーリー:5話、サブストーリー:1話、
なので相対的にボリュームが少なく感じるんですね。
(例えば、旧シリーズの「1」だとメイン4話に加え、メインストーリークリア後に
霧崎水明編、式部人見編、間宮ゆうか編、犬童蘭子編、と4話も追加されるので
実質8話もあるという大ボリューム)
「真」になってから隙間録というモードが追加され、ストーリー中には語られなかったエピソードも垣間見えるので、
総合的なボリューム同じなのかもしれませんが、旧シリーズからプレイしている身としてはやはり不満に感じます。
古参のファンとしてはもし次作があればもうちょっと増やして欲しいかなぁ。
(サブキャラの刹那君だけでなく、纐纈さんとか心太朗君のストーリーも欲しいところ)
気になる点②地名表記をイニシャルにしながら、やたら岐阜をPRしている点
本作の舞台は日本一ソフトウェア本社が置かれている岐阜県をモデルとした架空の地方、
G県とされています。
作中の地名の表記はどこも飽くまでイニシャル表記のみ。
(これは初代の真 流行り神から続いてる仕様)
冒頭での関ヶ原にまつわるシーンなのだけど、地名は飽くまでイニシャル表記。
一方で作中の一部エピソードで物語の舞台となるとある史跡は
まんま現実の名称が使われていたり、作中で岐阜県や愛知県のグルメが紹介されていたり・・
ゲームの舞台はあくまで架空の地方都市であるのに、岐阜県や愛知県の観光名所やグルメをPRするなら
本作の舞台を「岐阜県」と明記しまっても良いのでは?と思います。
そもそもが無印版の流行り神シリーズは副題に「警視庁怪異事件ファイル」とか銘打っているので
舞台は東京都内でしたが、特段に何か弊害があったわけでもなく。
(まぁ観光名所だとかグルメの紹介は無かったのですが)
ここまで地名をイニシャル表記に拘るのは何か理由でもあるのでしょうか・・?
(怪異を扱うゲームだけに、実名では何かしら悪い影響が出ることを懸念しての対応でしょうか・・?)
岐阜県内観光名所、おそらくは「モネの池」をモデルにした作中のシーン。
うーん、岐阜県をPRしたいのなら実名表記すれば良いのに・・とつい思ってしまいます。
怪異が絡んだ殺人事件を題材にしてるから無理なのかなぁ・・。
だったらなぜ作中の舞台に選んだのか?という疑問も湧きますが。
気になる点③時たま起きるフリーズ (ゲーム再開は可能)
そこまで大きな影響はないんですが、このゲーム、時折フリーズするんですよね・・。
しかも今作からは一部アニメーションのついたシーンがあるとはいえ、
基本は静止画だからフリーズが起きているか否かが分かりにくいという・・。
幸いにして、しばらく待つなりホーム画面に戻ってからゲームを再開するなりしていれば
フリーズ解消してゲーム再開できるので大きな問題では無いのですが、
ゲーム自体が魅力的であるが故にかなり気になるポイントです。
うーん、デバックする人員や時間が足りなかったのでしょうか?
作中のフリーズしていたシーン。
登場人物の皆さんは基本静止画なので、フリーズしていることに気づきにくいのです。
また一般的には「秘密裏」とするべき所が「秘密裡」と表記されていてちょっと気になる・・。
一応はこの「秘密裡」も正しい表記とのこと。
最後に・・
と、まあ色々と書きましたが「真」になって3作目で原点回帰したなぁという感じで
気になる点こそあるものの、総じて満足な作品に仕上がってます。
旧シリーズは3作目で完結となってしまいましたが、
本作のエピローグを見るに一応の大団円を迎えたものの、
まだまだストーリーは続けられそうな?感じでした。
個人的には日本一ソフトウェアの中ではディスアガイアシリーズに並ぶ力作と思っているので
是非とも次回作に期待したいところです。
それでは今回はこんなところで。